早稲田大学の2024年入試問題が試験時間中に外部に流出した問題で、警視庁が2024年5月15日までに、男子受験生を偽計業務妨害容疑で書類送検する方針を固めたことがわかった。
経過
報道によると、事案の経過は以下のようになっているとされる。
早稲田大学で2024年2月16日に実施された創造理工学部の入学試験を受験していた受験生は、化学の試験時間中、メガネに見せかけた通信機器「スマートグラス」で試験問題を撮影し、スマートフォンへの転送を経て、ツイッター(現・X)に撮影した試験問題をアップした。
受験生は事前に、試験問題と明かさないまま、この問題を解くようツイッター閲覧者に依頼していた。閲覧者の一人が不審に感じて早稲田大学に情報提供し、事態が発覚した。
その後画像の解析などを経て、この受験生の関与の疑いが浮上したという。2024年2月21日、当該受験生が早大の別学部の入試会場に現れたところ、試験監督の職員が、この受験生が「スマートグラス」を装着しているのを現認し、警察に届け出たという。
受験生は「共通テストの結果が振るわず、志望していた国立大学に落ちた」「ほかの大学も落ちることが不安だった」として、不正を思いついたなどと話しているという。早大創造理工学部の試験では、ツイッター閲覧者から得た内容に基づいて解答したともしている。なお、当該受験生は、早大では、不正をおこなった創造理工学部および別学部のいずれも不合格になったという。
雑感
このような行為は、あからさまな不正であり、容認できることではない。カンニングに類することである。
古典的なカンニングと異なり、電子機器を使用して外部に解答を求めるという手口が「現代的」ではある。こういう行為は、2011年のセンター試験、2022年の共通テスト事件などでもこの十数年で問題が複数発覚しているが、これは受験生本人のカンニングなのかどうか、あるいは背後に大がかりな不正勢力があるのかは、調査・捜査しないとわからないことでもある。従来なら学校側の自主的な対応で済んでいたはずのものが、法的な措置にもなってしまうということにもなる。