東京都知事選が2024年6月20日に告示された。2024年7月7日投開票。
この選挙では、自身の都政に関する政策や主張を訴えるわけではなく、選挙制度で遊んで悪目立ちしたりするような一部陣営が、おかしなことをしてカオスになっているという情報が、続々と相次ぎ、ニュースでもそれなりの頻度でも流れてくる。
底が抜けているという気がしてならない。
それはともかく、肝心の都政課題については、ていねいに各候補の主張を吟味して、よりよい都政の未来を選べるようにすることを願っている。
教育分野については、今回の選挙では目立っていないが、現職の小池都政で導入された、中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)への対応も、判断のひとつになるだろうとは感じられる。
2022年度より、中学校3年の全生徒が受験するように求められる。当該テストの成績はA-Eの5段階判定とされるが、点数に換算した上で調査書(いわゆる内申書)の点数に上乗せされるという代物。
大量の受験生を判定する英語スピーキングという特性上、採点者も多数必要となり、採点基準も採点者の間で統一できず、採点に不公平さが生まれる危険性も指摘されている。しかもスピーキング内容を手元の録音機器に吹き込む際、近くに座っている受験生の声が入ったり、また近くの受験生の解答内容が聞こえるなど、公正性にも問題が指摘されている。
そして、1~2年にも受験対象が拡大されるともいう。
学習指導要領の改訂により、話せる英語を口実に英語の授業の難易度が過去よりも上がり、その結果「英語嫌い」を生み出している。その上でさらに、採点基準や試験の運営方法が不透明な試験によって、調査書の点数に反映され、高校入試にも反映されるというのは、生徒にとって強い負担となっている。
そのあたりについても判断材料として検討していきたい。