大阪市立小学校で2025年4月以降、給食に異物混入事案などが相次いでいることがわかった。
2025年5月20日の大阪市会教育こども委員会で、渕上浩美市議(自民党)が質疑し、明らかになった。
経過
大阪市内のある市立小学校では、2025年度より調理委託業者が交代した。しかし交代直後から、学校給食をめぐる問題が相次いだ。
2025年4月3日、同校では教職員向けに、給食試食会を開催した。しかし提供されたメニューでは、「ご飯の炊き加減にムラがあり、ある場所はおかゆのようにびちゃびちゃで、別の場所は芯が残って堅かった」「豚肉の調理加減も、塊のようになっていて、油臭い」などの問題があった。そのため、試食会に出席した教職員は誰一人として完食できなかったという。
校長は、給食の調理方法に問題があったと市教委の担当部署に連絡を入れた。これを受けてご飯の炊き方の講習会などがおこなわれた。
しかし新学期開始直後には、食器の洗浄が不十分で、複数の食器が汚れた状態のまま提供されていた。そのことで、校長の判断で、予定されていたおかずの提供を取りやめ、パンと牛乳だけのみの提供にとどめた日もあった。
その後も連日のように、「ご飯やスープを入れる食缶に髪の毛が混入していた」「調理員がフライヤーの使い方を把握しておらず、提供が遅れた」「揚げ物で使用する油に虫が混入していた」「手袋が破れた状態のまま調理を続けていた調理員がいた」「食器に金属片が付着していた」「ごみを触った手袋でそのまま調理を続けていたことに教職員が気づき、当該メニューの提供を急きょ中止した」などのトラブルが相次いだ。
大阪市教育委員会の担当部署も調理に立ち会うなどして事態を確認し、5月12日までに計6件の調理事故を認定した。当該業者は調理責任者の交代などの措置をおこなった。
なお当該の調理業者は、大阪市内の複数の学校で調理に携わっているという。過去に他地域での学校給食調理に携わっていたが、トラブルがあり1年足らずで契約解除されたこともあったという。
問題のあった給食を食べた児童は一部いたものの、健康被害などは確認されていないとしている。
保護者から給食をめぐる苦情が相次いだことから、学校側は暫定的な策として、5月19日から、希望者には弁当持参を認める対応をしているという。
大阪市教育委員会や、横山英幸大阪市長は、「当該業者とは3年契約の予定だが、契約解除の可能性も視野に入れて状況を見ながら対応したい。まずは安全確保の徹底を求める」と話したという。
事案のあった学校名は、市会質疑では触れられず、またその後のマスコミ取材でも明らかにされていないとしている。
雑感
4月に調理業者が交代したばかりで、5月中旬まで連日のように、異物混入事案やずさんな対応が連続して発生していることは、極めて遺憾なことである。
児童・生徒の安全にかかることでもあり、このようなトラブルが連日のように続けば、一体どうなっているのかと思わざるをえない。
また給食にかかる予算を安く買いたたきすぎて、このようなトラブルにつながってしまっているのではないかという点についても、考えていかなければならない。


