いじめ自殺事件:加害者のその後、遺族は憤り

共同通信2024年6月28日付が『加害者の今を知ってしまった…「娘の未来は絶たれたのに」中2いじめ、遺族の憤りと煩悶 学校推薦で高校進学、実業団選手に。謝罪はないまま』を配信している。

兵庫県加古川市立中学校2年だった女子生徒が2016年9月、同級生からのいじめを苦にして自殺した事件があった。

この事件では、加害生徒12人からの謝罪などはなかった。両親は加害生徒への厳しい対応などを学校に求めていたが、学校側は加害生徒の一部を高校に学校推薦で進学させた。

両親側は市教委との間で交渉を続けていたがまとまらず、加古川市教委が和解案を拒否した。学校側の対応に問題があったとして、2020年に市を相手取って訴える訴訟を起こし、2024年6月時点では係争中だという。

この訴訟の準備過程で、両親が資料を調査していた際、加害生徒の一人が高校推薦入学を経て、実業団のスポーツ選手になっていたことがわかったという記事である。

いじめは小学校5年の頃から長期にわたって続き、被害生徒は長く苦しめられていたという。生徒は自殺に追い込まれ、その後の人生を奪われた形になった。本人のみならず、生徒の自殺後も家族は苦しみ続けている。そのような内容が、記事で指摘されている。

その一方で加害者には適切な罰や指導・更生の機会などがなく、何事もなかったかのようにその後の人生を歩み、それどころか成功者として振る舞っているという。しかも、学校や市教委が加害者の側に立ち、加害者への指導はしないだけでなく、人格的に優れたという前提の学校推薦での高校進学までさせている。

こういうことが許されてはならない。