「令和書籍」中学校教科書、特異な価値観が指摘される

教科書検定で「内容が外部に漏れていた疑いがある」として、2024年3月に保留にあたる「審議未了」となったのち、同年4月に「再調査では外部への流出は確認できなかった」として合格となった、令和書籍の中学校社会科歴史的分野の教科書。

この教科書については、特異な記述が目立っているとも指摘されている。

報道などによると、以下のような内容が指摘された。

  • 原始時代を扱う章では『古事記』の国産み神話から始まる。通常の教科書が人類の誕生から始まるのとは対照的。
  • 全編を通じて、天皇に関する記述が多い。
  • 日本の戦争を「快進撃」と表現。
  • 沖縄戦について、「沖縄を守るために(中略)二八〇〇人以上の特攻隊員が散華しました」と、特攻隊を「散華」と表現。
  • 戦争中の学徒隊について、「動員」ではなく、積極性の強い「志願」という表現をおこなった。
  • 戦時中の日本軍「慰安婦」については、「強制連行した事実はない」と明記。

これらは史実からは、誤解を与えかねないという指摘がある。

分量についても、300ページ前後の通常の教科書よりも多い、約500ページの記述となっているとされる。

内容について、指摘されているもの通りだとすれば、誤解を招くものというべきものであろう。「ネタ本」としてはともかく、教科書としては使いにくいものであろうとも思われる。