仙台市立中学校3年の女子生徒が、小学生だった頃から継続的にいじめを受け、2024年6月にうつ病と適応障害だと診断された問題で、仙台市教育委員会が「重大事態」と認定していなかったことがわかった。
2024年9月11日の仙台市議会で、教育長の答弁で明らかになった。
いじめ事件の経過
生徒は小学校4年だった頃から、「仲間外れにされる」「同級生の複数の男子児童から、ほうきで叩かれる」などのいじめを継続的に受けていたと訴えている。
また中学校に進学してからも、事実ではない、本人の名誉にかかわるような内容の噂を流されるなどのいじめが継続した。
これらのいじめが継続した結果、2024年6月にうつ病と適応障害と診断された。
生徒側は2024年7月、仙台市教育委員会に対し、いじめ重大事態の認定を求めた。
しかし仙台市教委は、2024年9月11日の議会答弁で「認定要望後に、生徒の保護者からいじめの事実確認や調査の実施は必要ないとの申し出があり、重大事態の認定には至っていない」などとした。
一方で生徒側は、マスコミ取材に対して「要望を取り下げる趣旨の発言は一切していない。答弁の内容にがっかりした。いじめられた側を守ろうとしていない」と述べている。
雑感
生徒側の言い分と、市教委の言い分が、真っ向から食い違っていることが気になる。
しかしながら一般的にいえば、いじめ被害を訴えておきながら、それらの事実確認や調査実施は必要ないと申し出るなど、ありうるのだろうかという印象も受ける。
いじめについては、重大な人権問題であり、被害者側の立場に立って対応することが求められている。