文部科学省は、日本語指導の必要な外国籍生徒について、公立高校入試において特別枠の設定や試験実施の際の配慮を進めるよう求める通知を出した。
NHKニュース2024年6月30日『公立高校入試“外国籍の生徒に特別枠など配慮を”文科省が通知』が報じている。
外国籍の生徒が社会で自立できるように、高校段階までの適切な教育を受けられるようにすることが重要だと指摘した。
その上で、高校入試の実施に際して、「外国人向けの特別枠の設定」「試験問題にふりがなを振る、辞書の持ち込みを認めるなどの配慮」を取るよう求めている。
定員割れをしているにもかかわらず不合格にする「定員内不合格」については、ただちに否定するものではないとしているものの、実施する場合には合理的な説明ができるかどうかという観点を求めている。
雑感
確かに、意欲や能力のある生徒を、外国籍で日本語が十分ではないからというだけで、教育の機会を奪ってしまうようなことは、避けるべきことではあろう。その観点から、公立高校入試への合理的配慮は必要にはなる。
その一方で、日本語が不十分な外国籍生徒についての配慮は、何も高校入試だけに限ったものではない。入試さえ通ればそれで終わりという短絡的な話ではない。高校3年間を見通した学びの状況についても、同じように考えられなければならない。
しかし高校入学後、必要な日本語指導などがされないままだと、結果的に生徒を放置してしまっていることになり、これでは合理的配慮とはいえなくなる。
入試制度だけでなく、高校入学後の学びについてもサポートする態勢を整えていくことも必要ではないか。