神奈川県立湘南台高校(藤沢市)で2024年4月、付け毛(エクステンション)をしていた女子生徒1人が、担任教員から指摘され、クラスの集合写真から外されていたことがわかった。
神奈川新聞2024年5月27日『付け毛は「校則に抵触」クラス写真から生徒除外 神奈川県立高、許可の経緯踏まえず』が報じている。
経過
報道によると、経過は大筋で、以下のようになっているとされる。
当該生徒は校外のクラブ活動で必要だとして、付け毛をすることにした。
同校の校則では「パーマ、染色、脱色など頭髪に手を加えない」と規定があるという。付け毛についてははっきりしなかったため、生徒は2024年3月、当時の担任教員に問い合わせて許可を得た上で、付け毛を実施した。
しかし4月になり、新年度の新しい担任教員が、「当該生徒の髪の毛が急に伸びた」として生徒に問い合わせた。生徒が「付け毛をしている」と答え、生徒は「エクステは問題なかったのでは」と話したが、担任教諭は「校則違反」だと指摘した。
この日はクラスの集合写真の撮影だったが、当該生徒のエクステは自分で外せないとして、当該生徒は髪の毛を結ぶなどの対応を取るなどと話した。しかし担任は当該生徒に対して、クラスの集合写真から外れるよう指示した。
保護者が管理職に問い合わせると、担任は「情報共有不足だった」と釈明した。その一方で生徒に対しては、前担任の対応を問題視し、謝罪などはしなかったされている。
またその場にいた別の生徒は、「日頃からスカートの長さや頭髪のチェックが厳しく、先生に目を付けられたくないから言いたいことがあっても言えない」と話した。担任教諭の対応について、居合わせた別の教員らはその場では何も言わず、後日「その場ではいえなかったが、やりすぎだと思う」と伝えた教員がいたという。
神奈川県教育委員会は、当該生徒のほかにも写真撮影から外された生徒がいたなどとして、除外することは指導の範囲内で、「行き過ぎた指導」とまではいえないとする見解を出している。
雑感
神奈川県教委は「行き過ぎではない」としている。しかしながら、これはあからさまな行き過ぎではないかとも感じる。
普段から厳しい生徒指導で生徒を抑え込んでいることがうかがわれる。さらに、教員間の状況共有にも問題があり、ある教員が許可したものを別の教員が排除したという形にもなっている。
専門家によると、担任教員の非寛容な生徒指導を「いじめ」だと指摘しているという。沿う指摘されてもやむを得ないのではないかとも思える。
このような指導が適切なのかどうかについては、生徒の人権の立場から、常に考えていきたい。