大阪府池田市立中学校で同僚教員へのパワハラが認定されて処分され異動措置となった教諭が、引き続き同じ学校に「部活動の外部コーチ」の形で出入りしているとして、全教池田教職員組合が池田市教育委員会に対して、教諭の校内立ち入りをやめさせるよう、市教育委員会に要望書を出していたことが、2024年5月2日までにわかった。
報道によると、事案は以下のようになっているという。
同教諭は、複数の同僚教員に暴言を吐き、大声で怒鳴るなどのパワハラ行為を繰り返したとして、2024年2月に停職1ヶ月の懲戒処分を受けた。同年4月には、池田市教育委員会への異動措置となった。
しかし当該教諭は、処分前まで勤務していた中学校の運動部を、4月以降も「外部指導者」の形で引き続き担当していた。始業前の朝練習などの指導をおこなっていたという。指導は、運動部の保護者からの要望を受け、校長が承認したとしている。
それに対して、被害に遭った教職員らが苦情の声を上げ、教職員組合を通じて2024年4月下旬に申し入れたという経過のようである。複数の被害者が同じ学校に勤務していて、「加害教諭の姿を見ただけでも震える」などと訴えているという。
しかしひどい案件である。ハラスメントの対応としては、極めてまずいものだというべきである。ハラスメントについては、加害者と被害者を接触させないことが基本である。それを無視して、被害者が勤務する学校に、一度引き離したはずの加害者を出入りさせていたというのは、極めて問題だといえる。
また部活動指導の観点からも、部活動の指導者だからといって、同僚教員の勤務条件をないがしろにしていいのか、また生徒への影響も考えずに部活さえよければいいのかという問題も生じる。これは極めてまずい。