福岡県嘉麻市教育委員会は2024年3月15日、市立中学校の女子生徒がいじめを受けた事案について、第三者委員会の調査報告書を公表した。
生徒は2021年6月、クラスと部活動が同じ生徒から、暴言を受けるなどのいじめを受けた。
いじめ被害を学校側に訴えたが、学校側の対応が不適切だったとされる。学校側は、部活動顧問でもある副担任が、当該生徒と加害生徒を同席させ、当該生徒に対して加害生徒側への謝罪を求めるという対応をおこなったという。生徒は2022年1月より登校できなくなり、そのまま卒業したとされる。
被害生徒側が、学校側の対応を不適切だと申し出て、市長宛に第三者委員会での再調査を求めていた。
調査では、学校側が被害生徒に謝罪を促した対応について、不適切だと指摘した。
いじめ問題の「解決」と称して、被害生徒にも問題があるかのように扱い、謝罪を要求するなどの対応は、この件に限らずあちこちでよくみられる。
しかしながらそのような対応は、一般的にいえば、明らかに誤りであろう。いじめの加害行為と被害行為を相対化して、いじめ加害行為は「大したことがない」と扱うことで、加害者にはいじめ加害を学習させ、また被害者を深く傷つけるものとなってしまう。こういうことでいじめをこじらせ、重大な案件につながっていくこともよくある。