2025年参院選で維新から出馬を予定している人物、過去に教員として勤務校の生徒に暴行傷害事件、いわゆる「体罰」事件を起こしたことが指摘されている。
2003年の事件
2003年3月、当時和歌山県立高校教員だった当該人物は、剣道部の指導中に部員を木刀で殴るなどして皮膚壊死の重傷を負わせたとして、停職4ヶ月の懲戒処分を受けた。
2003年6月の和歌山県議会の質疑から引用する。
まず第一点、本年三月十九日、和歌山北高校剣道部顧問のU教諭が部員である男子生徒四人に対し竹刀やバット、木刀で殴打し続け、そのうち一名の男子生徒が入院の上、皮膚の移植手術を受けなければならないという大けがを負わせる事件が発生いたしました。この男子生徒が受けた心と体の傷は大きく、先ごろ、他の高校へ転校するということになったと聞いております。
(2003年6月24日 森正樹和歌山県議の質疑。和歌山県議会議事録)
私は、U教諭の度の過ぎた体罰について過去に二度にわたって県教委に対して注意を喚起していただけに、まことに残念でなりません。この事件に関する処分は、U教諭が停職四カ月、校長、教頭二名、そして四名の同僚教諭、合わせて七名が厳重注意ということになりました。私の注意喚起にもかかわらず未然にこの事件の発生を防げなかったのか、県教委の責任はと、私は申し上げたいのであります。
また刑事事件でも2004年10月、和歌山地裁で執行猶予付の有罪判決が言い渡されたと、当該教員を実名で報道する新聞記事が掲載された。
その後の経過については、当方が調査した範囲では見つけられなかった。
当該者はのちに政治家に
その後、当該者と同姓同名で、高校教員の経歴もあり、年齢も一致する人物が、2011年に和歌山市議に立候補し、その後和歌山県議に転身し、2025年参院選では和歌山選挙区に維新から出馬の意向を示しているという話を把握していた。
状況をみるに、暴行傷害事件で有罪になった教師と政治家は同一人物の可能性もあるのではないかとみていたが、これまでの当方の調査では、100%の確信を持って同一人物だと紐付けられるほどの情報には至らず、万が一のことがあるととんでもないことになるので、事件とその政治家を紐付けるような言及は控えていた。
しかし政治家本人サイドから出された情報も含めて検討すると、「暴力を加えた教師」と「政治家」は同一人物という話。
「体罰」加害教員でもあった当該政治家の氏名については、立候補予定者の宣伝になってもまずいので、ここでは触れないことにする。
当該政治家の動画で、暴行傷害事件の当事者だということに触れている。(4分37秒頃から)
当該部分の大要を文字おこしすると
スタッフ:動画のコメント欄に、犯罪者扱いされるようなのが、確かに、犯罪を犯したことは犯したんやけど・・・。
本人:はいはい。まあ、何を言っても言い訳になるという、これは自分自身が経験してきたことなので、本当はこうなんだといったとて、意味をなさないと思います。ただまあ、僕の中で体罰があった、皮膚を壊死させた、僕が執行猶予3年の、傷害罪で有罪判決を受けた、これは事実です。市議会選挙の時も、県議会選挙の時も、これを自分で有権者のみなさんにお伝えして、議員活動させてきてもらったんで、だからといってこれは消える話じゃないんですね。僕自身もそれを忘れていないし、そういう思いで自分で来ているから、できるだけ他人様に迷惑はかけないようにと、思いながらやっていく。23年前のできごととはいえ、時計の針を戻すことはできやんので、それについては、ごめんなさい。これしかないんですよ。実はあのときこんなことがあってねなんていっても、新聞の記事に書いていることは正しいんですかと問われても、ここ事実やないでといいたいですよ。でも教師と生徒の中でやったことですから、やってはならない、やってはならないことをやってしまったのは事実。これはもう僕がすべて悪いと思って生きているし、たぶんこれからもそう思って生きていくだろう。
週刊誌報道でも指摘されている。
どうなのだろう
事実関係としては、本人を含めた指摘と大筋で一致するのであろう。
しかしながら、事件の重大性や、被害者の受けた傷を考えると、どうなのだろうかという思いも捨てきれない。